筆者が過去にしてしまった過ち
犬と暮らしていると、愛犬が飼い主さんのご飯を欲しがるという事は日常的に起こります。
我が家の愛犬(チワワ)も、私の食事中に隣にちょこんと座ってじっと私の顔を見つめてきます。
とっても大人しくお行儀よく座り、ひたすら私の顔をうるうるした瞳で見つめてきます。耐えかねて、「一口くらい良いよね・・・」と毎回ほんの少しだけ与えてしまっていたのですが、人間の食べ物は犬にとっては毒を与えているようなもので、あっという間に太り始めてしまい、我が家に来た当初は2.4kgしかなかった体重があれよあれよという間に3.5kgを超えてしまいました。病院の先生にも注意される始末・・・
おまけに、急性膵炎にかかってしまったこともあり、人間の食べ物を与えてしまったことが引き金になってしまったのだろうと後悔したことがありました。
たとえ、お野菜だろうとなんだろうと、人間が口にするものを動物に与えてはいけないのです。
この記事では、ついつい飼い主さんの食べ物を愛犬に与えてしまう行為をやめられない時の対処法について書いています。少しでも同じお悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。
人間の食べ物を与えてはいけない理由
まず、人間の食べ物を犬に与えてはいけない理由から見ていきましょう。
理由1:人間との体の構造の違い
この記事↑にも書いているのですが、犬は穀物を消化するアミラーゼという酵素をごくわずかしか持っていないため、穀物を食べると腸に負担をかけてしまいます。
人間は穀物を消化するアミラーゼという酵素を持っていますが、犬はもともと肉食系であることからアミラーゼをごくわずかしか持っていません。そのため消化器系の負担となります。又、犬の腸は短く、消化が良い動物性タンパク質が腸に適しています。加え犬は私たち人間のように穀物をすり潰すことができる歯を持ち合わせていないため、穀物を丸呑みして食す事になります。
ですので、たとえ加工品ではなくても、味付けをされていない、または油を使用していないものであっても、犬に与えてはいけないですし、私たちが思っている以上に犬に与えてはいけない食べ物が沢山あるのです。
こちら↑を参考にしてみてください。犬が食べてはいけない食べ物がとても多いというのがよく分かります。
例えば、玉ねぎには、有機チオ硫酸化合物という成分が含まれており、人間は十分な消化酵素を持っているため問題ありませんが、消化酵素を十分持ち合わせていない犬がこの成分を摂取すると赤血球がもろくなり溶血性貧血を引き起こします。この成分は加熱しても壊れることがないため、火を通していても与えてはいけません。
このように、私たちが食べても何も問題ない野菜が犬や猫には猛毒である場合があります。
理由2:犬はもはや野生ではない
ペットたちは、人間によって品種改良されたり、古くから人間と共に生活してきているため、野犬とは違います。
犬は品種改良が原因で、先天性の疾患にかかりやすくなったりアレルギーを起こしやすい体質へ変化しています。病気になりやすい犬種が増えているため、しっかりとした食事管理を行う必要があります。
また、私たちが与える肉に関しては、生きた獲物をその場で与えているわけではないので、サルモネラ菌などの雑菌が湧きやすく、肉類であっても生で与えるのは危険です。
理由3:少量であっても悪影響がある
例えばチワワのような超小型犬に関してですと、人間にとって僅かな欠片であっても体の小さいチワワにとっては、欠片ではありません。人間の平均体重を50kg、チワワの平均体重を3kgだとすると、チワワの体重は人間の体重の1/17です。
人間にとっての一口サイズを17等分すると大体これくらいのお大きさです。この大きさがチワワにとっての一口サイズということになります。
人間にとっての「少しだけ」が犬にとっては結構な量だというのが分かります。下の写真を参考にしてみましょう。このドライフードでは、3kgの犬の1日の食事量が60gです。すると1食分は30gです。写真を見ても分かりますが、人間からすると2つまみくらいの量です。
理由4:肥満に拍車をかけてしまう
理由3を読んでお分かりいただけたかと思います。おやつや飼い主さんの食べ物を少しでも与えてしまうと、1日の食事量を簡単に超えてしまいます。
おやつを与える場合は、食事の量からおやつの分を引いた量を与えなければいけません。
そして与えるおやつの量にも気をつけなければいけません。キューブ型のトリーツを与える場合も多くて3〜4粒までに留めておく必要があります。
理由5:加工品・味付けされた食べ物による健康への悪影響
当然の事ながら、加工品には体に有害な物質が含まれているので良くありません。塩分に関してはむしろ犬にとっては良い栄養素であり、ドッグフードにもナトリウムが含まれているように、適度な塩分摂取は必要です。しかし、人間と同じように取り過ぎは良くありません。腎臓や心臓に大きな負担をかけてしまいます。また、糖分は人間と同じように肥満の原因になります。
犬が飼い主の食べ物を欲しがる理由
次に、なぜ犬は飼い主さんの食べ物を欲しがるのか見ていきましょう。
理由1:群れである意識
犬は群れで生活する習性があり、食事も群れでするものだと思っています。犬は飼い主さんを群れ(家族)だと認識しているため、当然「食事は共にするもの=自分ももらえる!」という意識があります。
理由2:食い溜め習性の名残
動物は遠い昔、集団で狩りをして獲物を捕獲していました。そのため、食べられる時に食べるという習性は変わっておらず、無意識に食い溜めをしてしまいます。
理由3:満腹感を感じていない
たとえ、飼い主さんより先に食事を済ませていても、犬は飼い主さんの食事を欲しがります。それは上の理由以外にも、もう一つ大きな理由があります。
犬は脳の満腹中枢が鈍いため、「満腹感を感じにくい」という特徴があるのです。そのため、与えればいくらでも食べてしまいます。
理由4:おいしいものを知ってしまった
人が食べている物の味を知ってしまうと、自分の食事には見向きもしなくなる子がいます。犬の味覚は、甘味、塩気、脂肪の旨味を感じることができます。
人間が食べる食べ物は、これらを満たしている食べ物が多く、当然犬にとっても美味しいと感じる食べ物なのです。
飼い主にも犬にもベストな方法
1番良いのは、飼い主の食べ物はもらえないと教え込むことですが、毎回あのウルウルの瞳で見つめられると、そう簡単にできることではありません。
この記事を書く少し前に、愛犬が下痢を引き起こし、だらだらと1ヶ月近く続いたため病院へ行きました。慢性的になっているかもしれないので腸環境を整えましょうということで、フードを療法食に変えて様子を見ることになりました。療法食以外のおやつは一切与えないで下さいとのこと・・・
私は愛犬が急性膵炎に罹って以来、自分が食事をする時は、愛犬には犬用のおやつ(サラミのような見た目の薄型のもの)を与えていました。
犬と私と2人きりの生活の中で、愛犬と共に食事を楽しむ時間は私にとっても愛犬にとっても家族としての貴重な時間です。どうすれば良いだろう・・・と考えた末、先生に頂いた療法食でクッキーを作ることにしました。
作り方は簡単です。ドライフードをクラッシャーで砕きます。そこにごく少量の小麦粉と、丸く型どれるくらいの硬さまで水を加えます。よく練り合わせたら、油を敷いていないフライパンか、グリルで弱火にして焼きます。(※フライパンの場合は、水を入れすぎるとフライパンに焦げついてしまうので水の量に気をつけるのがポイントです。)
アレルギーの子は小麦粉の代わりに本葛粉や米粉を代用しても良いと思います。
クラッシャーは下記が便利です。洗う手間もコンセントに繋ぐ手間もありません。
出来上がりは、カントリーマアムのような見た目と手触りです。食感が良いのか、愛犬が喜んで食べてくれています。私が食事の時は、愛犬にはこのクッキーをちょっとだけあげるようにしています。これで、うるうるの瞳で見つめられてもひとまず安心です。
このクッキーは療法食を終えても続けていこうと思っています。
まとめ
以上のことから、犬には人間が食べる食べ物は一切与えず、犬用のドッグフードを与えることを強くお勧めします。手作りフードも栄養が偏りがちになったり、ナトリウム不足を引き起こすリスクがあります。人間が必要な栄養分をサプリメントで補うように、犬も手作り食だけでは十分な栄養が摂取できません。ドッグフードなら犬が必要な栄養を補うことが可能です。
人間の常識と犬の常識は違うという事を知っていただき、私と同じような悩みを持つ飼い主さんの参考になれば本望です。
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