犬はとても賢い動物です。犬との日々の生活の中で、驚かされたり楽しませてくれる事がしばしばあります。この記事では、脳化指数と知能、人間や動物たちの知能を知った上で、最後の方で犬の知能について見ていきます。
動物の脳化指数表や賢い犬のランキング、おわりには、脳化指数を調べていくうちに見つけた変わった都市伝説もご紹介しています。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
脳化指数の定義
脳化指数とは、脳の重さと体重から算出される値で、体重が大きいほど脳も重くなる傾向があるため、補正される指標です。脳化指数は、脳の重量を体重の2/3乗で割り、適当な係数を掛けた値で表されます。より詳しい計測・解析の結果、冪指数は3/4乗と判明したため、2/3乗を使った脳化指数には過大に見積もるバイアスがあることも知られています。
脳化指数の算出式
脳化指数の算出式は以下の通りです。
[EQ] = [定数] × [脳の重量] ÷ [体重]2/3.
ただし、規格体重はその動物が生物学的に正常な値とされる体重で、基準値は動物の種類によって異なります。このように、脳化指数の算出には適切な係数を使います。
脳化指数の意味と役割
脳化指数は単独の数値に意味はなく、比較にのみ使われます。脳化指数は体重に見合った脳の大きさに比べてどのくらい大きい脳を持っているかを示しており、知性の指標として使われます。
ただし、脳化指数だけで知性を判断することはできないため、脳の多くの特徴が関与しています。知性には脳化指数以外にも、脳の発達度や構造、学習能力、社会的な行動なども関係しています。
さらに、脳化指数は哺乳類以外の動物では一般的にEQ(エンセファリゼーション・クオティエント)が低い傾向があるものの、鳥類や魚類、無脊椎動物の一部には哺乳類に匹敵するEQがあり、高い知性を持つ動物も存在します。
脳化指数を持つ動物の例
脳化指数は、動物の知能を評価する指標として使われます。ここでは、脳化指数を持つ動物の例を紹介します。
イルカの脳化指数
イルカは、脳化指数が非常に高い動物として知られています。イルカの脳化指数は、約5.64と言われています。この数値は、体重に対して非常に大きな脳を持っていることを示しています。
イルカは高度に社会的な生物であり、集団での生活や独自のコミュニケーション能力を持っています。彼らの複雑な鳴き声やジェスチャーは、高い知能の証拠とされています。
動物の脳化指数は、それぞれの種の進化や生態に関わる重要な指標となっています。知能の進化においては、脳化指数の高さが重要な要素なのです。
脳化指数と知能
脳化指数は、単独の数値に意味はなく、比較にのみ使われます。一般的にはネコの脳化指数を1とし、他の動物の脳化指数をそれに対して比較する方法が使われます。また、ヒトの脳化指数を10として評価する式もあります。
脳化指数と動物の知能の関連性
知能とは
知能とは、脳の機能や能力によって表れる個体の認識・理解・学習・応用の能力を指します。知能は種によって異なりますが、認識能力や問題解決能力、社会的なスキルなどが含まれることが一般的です。
知能は脳化指数だけで判断することはできず、脳の他の特徴や環境なども影響を与えるため、複数の要素を総合的に見て判断します。
動物の脳化指数
下の表は動物の脳化指数です。上から値が高い順となっています。
動物 | 脳重量 | EQ |
---|---|---|
ヒト | 1250–1450 | 7.4–7.8 |
バンドウイルカ | 1350 | 5.3 |
シロガオオマキザル | 57 | 4.8 |
オマキザル | 26–80 | 2.4–4.8 |
リスザル | 23 | 2.3 |
チンパンジー | 330–430 | 2.2–2.5 |
アカゲザル | 88 | 2.1 |
テナガザル | 88–105 | 1.9–2.7 |
クジラ | 2600–9000 | 1.8 |
旧世界ザル | 41–122 | 1.7–2.7 |
マーモセット | 7 | 1.7 |
キツネ | 53 | 1.6 |
ゴリラ | 530–570 | 1.5–1.8 |
アフリカゾウ | 4200 | 1.3 |
カラス | 1.25 | |
セイウチ | 1130 | 1.2 |
ラクダ | 762 | 1.2 |
イヌ | 64 | 1.2 |
リス | 7 | 1.1 |
ネコ | 25 | 1.0 |
スズメ | 1.0 | |
ウマ | 510 | 0.9 |
ヒツジ | 140 | 0.8 |
ライオン | 260 | 0.6 |
ウシ | 490 | 0.5 |
マウス | 0.3 | 0.5 |
ブタ | 0.42 | |
ウサギ | 11 | 0.4 |
ラット | 2 | 0.4 |
ハリネズミ | 3.3 | 0.3 |
ニワトリ | 0.25 | |
フクロネズミ | 7.6 | 0.2 |
犬の知能は人間の2〜3歳児程度?
ここまで、脳化指数や動物の知能について見てきました。ここからは、犬の知能について見ていきましょう。
犬の知能について
犬の知能は人間の2〜3歳児程度と言われています。犬は忠実で頭の良い生き物として知られており、人間の言葉や指示を理解し、学習する能力が高いとされています。
一般的な犬の知能評価
犬の知能は、独自の評価方法を用いて測定されます。IQテストなどは人間による知能の評価に用いられますが、犬にはそれに類似したテストはありません。しかし、犬の知能を評価するためには、以下のような観点から考えることができます。
- 学習能力:犬は人間の言葉や指示を理解し、学習する能力があります。また、トレーニングやしつけによって様々な行動を覚えることができます。
- 問題解決能力:犬は障害物がある場所に置かれたごはんを取りに行くために、どのような方法を使うかを考え、試行錯誤する能力があります。
- 社会性:犬は群れで生活する動物であり、飼い主とのコミュニケーション能力や他の犬との関係構築能力も含まれます。
これらの観点から犬の知能を評価すると、一般的には人間の2〜3歳児程度とされています。
犬の成犬の知能レベル
犬の成犬における知能レベルは一般的に高いと言われています。犬は人間の言葉や指示を理解し、学習する能力があるため、多くのトリックやコマンドを覚えることができます。
犬の知能は人間の子供と比較されることがありますが、具体的な比較は難しく、犬の知能を測るために用いられる尺度としては、IQ(知能指数)の概念があります。犬のIQは一般的に25〜100程度と言われており、これは人間の2〜3歳児程度に相当するとされています。
成犬と人間の子供の知能を比較すると、成犬の方がある程度の認知能力を持っていると言えます。成犬は飼い主さんの指示を理解し、それに応じた行動をすることができます。一方、人間の子供は言葉の理解が進んでいないため、コミュニケーションに限界があります。
犬の成犬の知能レベルは、個体差や犬種によっても異なる場合があります。また、犬の知能は飼い主さんのしつけや訓練の成果にも大きく左右されます。適切なしつけや訓練を行うことで、犬の知能をさらに引き出すことができます。
人間と犬のコミュニケーション
犬と人間は異なる種であり、言葉のコミュニケーションができるわけではありません。しかし、犬は人間の言葉をある程度理解する能力を持っています。特定の言葉やコマンドを覚えて、それに応じた行動をすることができます。
例えば、飼い主さんが「座れ」という言葉をかけると、犬は座る行動をとることができます。また、「お手」という言葉に対して手を差し出すなど、犬は飼い主さんの指示に従って行動することができます。
犬が人間の言葉を理解する能力は、犬のしつけや訓練だけではなく、飼い主さんとのコミュニケーションを円滑にするのにも役立ちます。
犬の感情表現
犬は言葉によるコミュニケーションが苦手である一方で、表情や体の動き、声のトーンなどを通じて感情を表現する能力が高いとされています。犬は飼い主さんの表情や声のトーン、体の動きなどを観察し、その情報から飼い主さんの気持ちや感情を察知することができます。
又、犬は人間の感情を共感することもできます。飼い主さんが悲しんでいるときは、寄り添って慰めたり、喜んでいるときは一緒に喜んだりするなど、犬は人間の感情に敏感に反応します。これは、犬が人間との絆を深めるための行動です。
犬の感情表現と人間への適応性は、飼い主さんとの信頼関係の築き方にも関わっています。犬は人間とのコミュニケーションによって、自分の感情を伝えることができます。又、飼い主さんも、犬の表情や行動をよく観察し、犬の気持ちを理解し、犬との信頼関係を深め、より良い関係を築くことができるのです。
最も賢いとされる犬種
犬の知能は個体差によっても異なるため、一概に「最も賢い犬種」を断定することはできませんが、一般的に知られている賢い犬種としては、ボーダーコリー、プードル、ジャーマンシェパードなどが挙げられます。
一般的に賢いと言われる犬種は、盲導犬や介助犬、警察犬など、人々のサポートや安全を守る重要な役割を果たしています。その他にも、アジリティやドッグダンスなどのスポーツ競技やショー犬としても活躍しています。
犬の知能や能力を活かすためには、適切な訓練や飼い主とのコミュニケーションが重要です。犬種の特性や個体の性格を理解し、それに合わせたトレーニングを行うことで、犬の賢さを最大限に引き出すことができます。
賢いとされる犬種ランキング
1位ボーダーコリー
2位プードル
3位ジャーマンシェパード
以下、4位〜10位
4位ゴールデンレトリバー
5位ドーベルマン
6位シェットランド・シープドッグ
7位ラブラドールレトリバー
8位パピヨン
9位ロットワイラー
10位オーストラリアンキャトルドッグ
我が家の先住犬がトイプードルでしたが、特に言葉を覚えるのが早く、驚かされた事が何度もありました。言葉を覚える学習能力が高いということはコミュニケーション能力や社会性も高いといえるでしょう。
おまけ(変わった都市伝説)
EQやIQを調べていて変わった都市伝説を二つ見つけたのでご紹介します。
1つは、「ゴキブリのIQは危険を察知すると340まで跳ね上がる」というもの。それは瞬間的に150キロのスピードで移動でき、その瞬間のIQが340を超えるという都市伝説が2011年に拡散されました。
結局は、研究資料などがなくデマだということが分かりました。
もう一つは「男性が営みで達した時のIQがサボテンのIQと同じ」という都市伝説です。サボテンのIQは2であり、男性が虚無状態なった瞬間のIQがサボテンと同じという説がTwitterで広まったようです。ところで、サボテンには本当にIQがあるのでしょうか?
こちらも実際にサボテンのIQを計測したという資料がなく、デマだということがわかりましたが、どうやらサボテンにもIQはあるということをイギリスの学者が発見したそうです。
どちらもどこからどう出回ったのか分からない都市伝説ですが、気になる方は調べてみてはいかがでしょうか😅
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